リチャード・ドーキンスの最近の著作「進化とは何か」を読んだ。
この本は、イギリスのティーンズを対象に行なったクリスマスレクチャーを元に書かれているとのこと。
200点以上の写真とともに、進化の内容を具体的に例示しているので、大変分かりやすい。
私は、いろいろドーキンスの本を読んでいるので、内容自体に特段目新しいことはなかったのだが、その語り口が非常に優しく丁寧に書かれているので、進化論の思想を再認識するのに役立った。
(デザイノイドという表現は、比喩の名人ドーキンスの面目躍如)
進化論の思想のみならず、具体的な目、翼、動物の擬態などがどのように進化して今の状態になっているのかが分かりやすく述べられている。
現代進化論を根本思想を理解するにはうってつけの本だと思う。
進化論否定論者にも、素直な心で読んで欲しいところだ。
内容の他にも、この語り口は、私自身が子供たちに語る際に参考にすべきことだと思う。
ややもすると大人は子供からの質問に対して、難しい言葉で説明し答えたつもりになっている。
猛省して、ぜひ参考にしたい。
また、第6章に、訳者の吉成真由美氏によるロングインタビューが掲載されているのだが、その内容がまた面白い。
彼の生い立ち、過去の著書に関するコメント、インターネットについてなど、現在の彼の思想が吐露されている。
個人的には、以下の文章が印象に残った。
世界や生命や宇宙について自分はどのように考えているか、ちょっと思い出してください。自分の信念は根拠があってのことか、それともたまたまある場所で生まれたからなのか。もし後者だとしたら、強くその内容を疑ってみてください。宇宙の真実が国によって異なるというのは、ありえないからです。
進化とは何か:ドーキンス博士の特別講義
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リチャード ドーキンス
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