読了「遺伝子が語る生命38億年の謎」

投稿者: | 2015年9月27日

図書館でふと目に留まったので借りてきた読んだ。

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この本は、「はじめに」でも述べられているように「遺伝学の最新の研究の中から19の話題を取り上げ、一般の方々に向けて解説したもの」だ。

19の話題は、「生物進化」、「人類進化」、「ゲノム」、「細胞と染色体」、「発生と脳」とカテゴライズされ、記述されている。

一つ一つの話題は、国立遺伝学研究所の研究委員の方々が、個別に「〇〇の謎」という形で、トピックスごとに現在わかっていることとわかっていないこと(つまり「謎」)を述べており、それぞれが興味をそそる内容となっている。

ただ、1つの話題が10ページちょっとの中で凝縮された形で書いてあるので、事前の説明無しに生物学の専門用語が所々に顔を出す。専門家の間では常識しかもしれないが、「一般の方々」は少々戸惑いが出るのではと思う。

私は、素人ながら、キャンベル生物学やら他の生物系の本を時々読んでいるので、追いつくことはできるのだが。。。

逆に言えば、「一般の方々」とは最低私レベルを指すのか?という気もする。

内容としては、興味深い話題が羅列してあるので、面白かった。
なお、それぞれのトピックについて、ページ数の関係で深掘りはしていないので、更に詳しく学べる書籍の紹介がしてあれば、さらに良かった。

参考ながら目次を以下に記す。

第Ⅰ部  生物進化の謎

第1章 サイズの進化の謎
―「もてる」体はどのようにつくられてきたのか

第2章 「移動する遺伝子」の謎
―なぜゲノムには多くの「がらくたDNA」があるのか?

第3章 多細胞動物の起源の謎
―多細胞動物のボディプランはどのように進化してきたのか?

第4章 地球型生物の謎
―生命のルーツはなにか

第5章 多様性を生みだす進化の謎
―求愛行動の進化はどのように新種を生みだすのか?

第Ⅱ部  人類進化の謎

第6章 現代人の起源の謎
―ヒトはどのように現代人に進化してきたのか?

第7章 遺伝子多型の謎
―ABO式血液型はなぜ生き残ったか?

第8章 ヒトゲノムの暗黒部分の謎
―どのような遺伝子の変化がヒトを進化させてきたのか?

第Ⅲ部  ゲノムの謎

第9章 DNA複製の謎
―細胞の中のDNAの数はどうなっているのか?

第10章 タンパク質の立体構造の謎
―遺伝子から超小型機械「タンパク質」はどのようにできるのか?

第11章 行動の遺伝の謎
―性格は親から子へと受け継がれるのか?

第Ⅳ部  細胞と染色体の謎

第12章 寿命の謎
―ゾウはなぜネズミより長生きか?

第13章 染色体分配の謎
―それに失敗すると生物は病気になるのか進化するのか?

第14章 DNA収納の謎
―長いDNAは細胞の中でどのように折りたたまれているのか?

第15章 細胞の建築デザインの謎
―分子からどのようにして細胞が組み立てられるのか

第Ⅴ部  発生と脳の謎

第16章 脳の個性の謎
―遺伝子は脳の設計図なのか?

第17章 子どもの脳の発達の謎
―子どもの脳が発達するとき、脳の中で遺伝子は何をしているのか?

第18章 生殖細胞の仕組みの謎
―なぜ生殖細胞は減数分裂をおこなうのか?

第19章 生殖系幹細胞の謎
―なぜ生殖系幹細胞は分化万能性を獲得できるのか?

遺伝子が語る生命38億年の謎

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