「真田太平記」覚え書き

投稿者: | 2015年8月8日

家内が私の蔵書から「真田太平記」を取り出し、読み始めている。
次の大河ドラマが「真田丸」という真田幸村を主人公としたストーリーなので、真田家に興味を持ったらしい。

真田太平記は故「池波正太郎」氏の時代小説で、真田家が武田勝頼の家臣団の時代から江戸幕府の大名になるまでの長い物語を描いた作品である。
新潮文庫だと全12巻もあり、まさに大河ドラマである。

真田太平記(新潮文庫)

真田家というと、幸村一人が脚光を浴びるが、廃藩置県まで生き残ったのは、幸村の兄「真田信之」の家系だ。

「真田太平記」は、真田信之、幸村の兄弟およびその父「真田昌幸」を軸として話が進む。

脇役として当時の戦国大名は勿論だが、真田の忍び(草の者)や甲賀忍びなども活躍し、ノンフィクションとフィクションの入り交じった、非常に面白い構成となっている。

池波正太郎の文体も相まって、思ったよりも速く読めてしまう。

自分の生き様・情熱をに価値をおいて生きる、昌幸、幸村親子。
大局的に時代を見据え、自分を殺して家のために生きる信之。

本小説を読むと、弱小大名として生まれた真田家が、これほど有名でかつ長い間存続し続けた理由が見えてくる。
真田家は、幸村一人ではない。昌幸がいたからこそ、武田家崩壊後を生き抜き、信之がいたからこそ戦国末期から江戸時代を生き抜いたのだ。

そういうことを思わせる小説となっている。
お勧めだ。

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